やさしお(K40) スペクトロメトリー ガイガーカウンター
「やさしお」の特徴
「やさしお」は塩分を減らした食塩です。
食塩は通常、塩化ナトリウム(NaCl)ですが、やさしお等の減塩食塩はナトリウム成分を減らし、代わりにカリウム(K)成分を多く含んでいます。
カリウム(K)は自然界でも放射性元素であるK40を0.0117%含むことから、多くの食材に含まれますが、減塩食塩は他のものに比べてカリウム成分が多いため、1kg程度の量をiMetryに密着させ、長時間(サンプルでは約2時間)計測すると、K40のスペクトルピークが観測できます。
K40は1460keVに特徴があります。
やさしお (約1kg分) | K40スペクトル Idaho National Laboratory |
iMetryでのやさしお計測結果
やさしおに含まれるK40は極微量のため、線形スケールではスペクトルピークが判別できません。このような場合は対数スケールで確認する必要があります。
iMetryは簡易スペクトロメトリーのため分解能が専門的な機材より低いため、スペクトルピーク(K40では1460keV)がなだらかになりますが、グラフの右側に特徴的な山が見えます。Cs137やBa133の計測結果と見比べてスペクトルの形が違うことが確認できるでしょう。
なお、K40のスペクトルピークが1460keVに対し、iMetryの計測結果が1600keVを示しています。iMetryは簡易スペクトロメトリーとして、およその目安のため、検出したエネルギーの大きさとkeVの関係を直線補完していますが、1460keVと1600keVのずれはiMetryの放射線検知素子であるシンチレータの特性によるずれと考えられます。
計測結果についてはiMetryのkeVの数字はおよその目安とし、スペクトル全体の特徴を捉えるようにしましょう。
K40によるエネルギーキャリブレーションの追加
iMetryではCs137とBa133で簡易エネルギーキャリブレーションを行なっていますが、入手が容易な減塩食塩でK40のスペクトルピークで下図のように1460keVのエネルギーキャリブレーションを追加しましょう。
エネルギーキャリブレーションを追加した後では、下図のようにスペクトルピークが1460keV付近となります。
- 最終更新:2013-06-14 12:47:13