鉛遮蔽下でのガイガーカウンター/スペクトロメトリー

自然界には微量の環境放射線が存在しています。そのため、被検体そのものの放射線を計測する場合は、環境放射線を遮断した環境の中で計測する必要があります。この環境放射線を遮断するには鉛遮蔽が必要です。計測にあたっては、バックグラウンドが大きいと、バックグラウンドの揺らぎにより微小な線量は測定できません。有意な計測を行うためには、放射線を遮蔽した環境を作り、その中のバックグラウンド放射線レベルを計測し、バックグラウンドの線量よりも小さな線量を計測する時は、コントロールのための検体も用意し、繰り返しの計測による比較、確認が必要です。
鉛遮蔽をしても、今度は主に212Pbの238.6keVの鉛由来のスペクトルと、鉛で防ぎきれなかったγ線と、検体から発せられるγ線が鉛にあたって放たれる80keV近辺の特性X線が残ります。80keVの特性X線についてはカドミウムと鉛の中敷を行うことにより相当量減衰することができますが、カドミウムは扱いが難しいので、現実には銅の1mmの中敷を5cmブロックの遮蔽箱に敷いて妥協することが一般的です。

なお、鉛ブロックの中で計測しても0.000μSv/hにはなりません。
iMetry公式ページでも0.00231μSv/hとなっています。鉛だけではガンマ線が鉛に当って制動X線などが出るため、それをブロックするためカドミウム板、銅板を鉛の内部に敷かないと放射線量率が高く出てしまいます。
iMetryの公式ページにあるように、内側に1mmの銅板を敷きますと、0.00231μSv/hから0.001673μSv/hに減少します。
さらに地下深い地下室などの環境ではもっと減少するのではないでしょうか。
鉛ブロックの中で計測しても0.000μSv/hにはならないことをご留意ください。


制動X線と特性X線

いろいろ出るもんですね。
  • β線が鉛の軌道電子にあたることによる制動X線
  • ガンマ線が鉛の軌道電子にあたることによる制動X線
  • 制動X線が出た結果として生じた正孔の緩和による特性X線

鉛で遮蔽していても、放射性物質を鉛の中に入れるとそのガンマ線ベータ線の鉛箱にあたって放出される制動X線、特性X線を考慮に入れないといけなくなります。また、遮蔽されていても残った高エネルギーガンマ線の制動X線?と特性X線?もお忘れなく...
その意味では遮蔽に使う鉛はX線の放出源にも成る訳です。そういうわけで、良いスペクトルをとるために、プロ用の機器などでは銅板をかませたりカドミウムをかませて鉛からのX線を減衰させようとします。
X線管は、β線をタングステンなどに当てて電子を放り出して正孔を作って特性X線を出しているんですね...特性X線を出させているんね。勉強に成ります。とするとTVなんかも特性X線が少し出ちゃったりしてたんでしょうねwww




鉛板の扱い方

  • 鉛板はインターネット、東急ハンズ等で購入することができます。
  • なお、鉛板は不用意に素手で触ることの無いように、鉛板自体をガムテープ等で養生して使用するように気をつけましょう。
  • 検体はビニール袋等に入れてください。

鉛板の効果の確認

鉛板を下に敷いて、地面からくる放射能を鉛板の有無で比較してみましょう。

まずはバックグラウンドを計測します。HORIBA PA-1000と同時計測して、0.053〜 0.054μSv/hの状態です。
鉛なし.JPG

次にガムテープで養生した鉛板を下に引いて計測します。通常のバックグラウンド(約0.054μSv/h)から下がり、0.039μSv/hになりました。
鉛下置き.jpg

次はガムテープで養生した鉛板を上において計測します。こちらも通常のバックグラウンド(約0.054μSv/h)から下がり、0.038μSv/hになりました。
鉛上置き.jpg

やさしおを用意してK40由来の放射線スペクトラムを計測してみましょう。

  • 迅速に計測するためにややさしおは、10袋前後必要になります。
  • その場合は、鉛板を下に敷いて、その上にiMetryを載せ、その上にやさしおを載せると、バックグラウンドの影響を受けにくくなります。
  • また、やさしおと、iMetryの間に約5mmのアルミ板を挿入すると、iMetryでのK40のスペクトルの同定に置いて、K40の放つβ線の影響をより受けにくくなります。

  • 最終更新:2014-07-08 16:19:51

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