Cs134+Cs137 スペクトロメトリー ガイガーカウンター

Cs134とCs137の特徴

Cs134は569、604、795、801keVに特徴があります。
Cs137は661keVに特徴があります。
Cs134スペクトル
Idaho National Laboratory
Cs137スペクトル
Idaho National Laboratory
Cs134_spectrum.png Cs137_spectrum.png

iMetryでのCs134+Cs137計測結果

iMetryは簡易スペクトロメトリーであり、感度が高くなるように大きなシンチレーターを採用していますが、そのため分解能が専門的な機材より低くなります。Cs134のスペクトルピークである569、604keVと、Cs137の661keVが合成され一つの山に見えます。
また、Cs134は、ベータ線を含みますが、iMetryの前方に1mm、周囲に2mmのケースはCs134のベータ線を防ぐのに十分な厚さですので特に計測の妨げにはなりません。また、Cs134,Cs137の600keV以下に見える山は、ガンマ線由来の後方散乱によるもので、ガンマ線由来であり、ベータ線ではありません。

600keV付近

山の頂点が何keVになるかはCs134とCs137の混合割合によって変わりますが、それぞれの特徴的なスペクトルピークである約600keVと661keVの間になります。従って、この合成されたスペクトルピークでCs134の存在を確認することは困難ですが、Cs134由来の800keVのピークを持ってCs134/137の混合比率の推定と、Cs134/137の混合スペクトラムの検出は可能です。

600keV付近に黄色いガイドを表示
線形表示 対数表示
Cs134_600_liner.png Cs134_600_log.png

800keV付近

一方、Cs134のもう一つのスペクトルピークである795、801keVはCs137に含まれないため、800keV付近にスペクトルピークが観測できれば、Cs134の存在を確認できます。

800keV付近に黄色いガイドを表示
線形表示 対数表示
Cs134_800_liner.png Cs134_800_log.png

Cs134、Cs137の混合した検体においては、600keVの上の山と、800keVの山の二つを確認できます。また、Cs134の半減期はCs137より大幅に短いので、生成されてからの経過時間に応じての年単位で存在比率はCs137が優位になって行きます。

  • 最終更新:2013-05-07 16:29:37

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