iMetryをベクモニでスペクトロメトリーする

iMetryをベクモニで使う

ベクモニは放射線計測器をPCに接続し、スペクトルやBq値を計算するWindows用アプリケーション(フリーウェア)です。
オーディオ信号でのパルス検出に対応しているので、非公式ではありますがiMetryでも使用することが可能です。

オーディオ入力ユニット

iMetryのパルス信号に限らず、アナログのオーディオ信号はノイズが乗りやすいものです。特にノートPCは、狭い筐体にCPUやHDDなどのノイズ元があるため内蔵のオーディオユニットにノイズが乗りやすいです。
ノイズを放射線検出器からの信号として誤検出すると、放射線計測結果が大きく狂ったりスペクトルピークがノイズに埋もれてしまうため、PC内部のノイズを受けないように、外付けのUSBオーディオユニットを使用するようにしましょう。高価なものではなく1,000円〜数千円の安いものでもいいと思います。
今回は古めのArvel(現BUFFALO)のHAMU02BKを使用します。
ArvelUSB.JPG

iMetryの電源はPCのUSBを使用すべきではありません

iMetryは、iPadのオーディオジャックに対応するために、マイクレベルで出力を出しています。
また、USBオーディオチップは、マイクレベルの入力に対応するために、一般にPCのアースにアースを一般には落としていません。そのためiMetryの電源をPCから取ろうとすると、マイクアースがiMetry通じてPCのアースに接続してしまい、ノイズが乗る恐れがあります。iPhone用などの外付けUSB AC電源を使用しますと、ドランスで一般には十分にアイソレーションされていますので、ノイズも入らず、より良い結果が一般に得られます。
まず、ベクモニでスペクトルを調べる前に、iMetryにノイズが乗っていないか、スピーカーから、音を出すなどして、確認してください。電源を外部電源にして見たり、PCからとってみたりして、スピーカー音を確認してみればわかります。

OSの設定

今回はWindows XPの例を挙げますが、Vista、7、8などでも設定すべき内容は同じです。

  • まずUSBオーディオユニットをOSに認識させます。ドライバが必要な物は商品のマニュアルに従ってOSに対応したドライバをインストールしてください。

  • 次にコントロールパネルから、USBオーディオユニットのマイク入力を使うように設定します。
ベクモニ01.JPG

  • iMetryのオーディオパルス信号は微弱なため、マイク入力ボリュームを最大にしておきます。また、当然ながらミュートはオフにします。
ベクモニ02.JPG

  • さらにパルス信号の大きさが勝手に歪められないようにAGC(Auto Gain Control)をオフにします。この設定はOSやドライバによってはわかりにくいところにあるため、よく探してください。
WindowsXPではボリュームコントロールの「オプション」メニューの中にある「トーン調整」をオンにすると、トーン調整のボタンが出現し、そのボタンを押した先にAGCの設定項目があります。
ベクモニ02-1.JPGベクモニ02-2.JPG

  • ここまで調整したら、マイク入力が正しく動作しているか確認しましょう。
PCとUSBオーディオユニットを接続し、USBオーディオユニットのマイク入力に、普通のマイクや携帯オーディオプレイヤーを接続します。
その状態でサウンドレコーダーなどの録音アプリケーションを使って、マイク入力からの波形が見られることを確認します。
ベクモニ03.JPG

iMetryの接続

iMetryはUSBオーディオユニットのマイク入力に接続しますが、iMetryに同梱されている専用ケーブルはiPad向けのものですので使えません。代わりに市販されているモノラルオーディオケーブルを使用して接続します

ベクモニの設定

ベクモニをインストールして起動します。
iMetry用の設定を作成する必要があるので、ベクモニの画面内にある「デバイス構成」の「編集...」ボタンを押してウインドウを表示します。
ベクモニ04.JPG
「新規作成」を押すと、新たな構成が追加されますので、画面右側に各種設定をしていきます。
「基本設定」タブでは
  • デバイス構成:「iMetry Arvel USB」(iMetryと判別できる適当な名称なら何でも良い)
  • デバイス種別:オーディオ入力デバイス
  • 温度計種別:温度計なし
  • 測定時間:1800秒(計測時のデフォルト値になるのであまり気にしなくて良い)
  • チャネル数:2000(チャネルピッチと合わせて後で調整する)
  • チャネルピッチ:0.05(チャネルピッチと合わせて後で調整する)
と設定します。

次に「デバイス固有設定」タブに移ります。
ベクモニ05.JPG
  • オーディオ入力:(USBオーディオデバイス名を選択)
  • サンプリングレート:44100Hz
  • ビット数:16 (サンプリングレートとビット数はUSBオーディオユニットが対応している最高のものを選択したほうが良いと思われますが、この設定がまずは無難でしょう)
  • デバイス極性:オフ
  • 入力レベル:100
  • 下限閾値:0
  • 上限閾値:100
  • パルス相関閾値:60%(デフォルト)

ここまで設定したら、設定ウインドウ右下にある「取得開始」を押します。
カウント数が増えていき、黒い画面の中に波形が表示されると思いますので、まずパルスの向きが上記画像のように上向きになっていることを確認します。下向きに出る場合は「デバイス極性:」の「反転する」をオンにして、上向きになることを確認してください。

次にパルス波形を調整します。
設定ウインドウ右下の「標準パルス測定」というグレーの枠内の設定をします。
ベクモニ06.JPG
パルスの形が、「一旦上がってから下がる」という全体が表示されるように「サンプル幅」を調整します。この例では
  • サンプル幅:24
としました。
次に「ピーク位置」は黒いウインドウ内の左側1/4〜1/3の位置にピークが来るように調整するようなので、この例では
  • ピーク位置:8
としました。
下限閾値、上限閾値はとりあえず0と100にしておきます。
  • 下限閾値:0
  • 上限閾値:100

ここまで設定したら、「保存」ボタンを押して設定を終了します。

試験計測

ベクモニのメイン画面に戻り、「デバイス」は先ほど保存した構成を選択します。
次に各種が同定されていてピークがわかりやすい線源を用意し、iMetryの付近に設置して測定を開始します。
ベクモニ07.JPG
この例では137Csの試験核種を使用しています。右側の山が137Csのピークである661keVです。
このままでもおおよそのスペクトルは分かりますが、チャネルの解像度が粗い状態です。

チャネルの粒度を変更するには、デバイス構成の「チャネル数」と「チャネルピッチ」を調整します。
今回は
  • チャネル数:1500
  • チャネルピッチ:0.01
に設定変更しました。
ベクモニ08.JPG

デバイス構成の設定変更をしたら、ベクモニのメイン画面にあるデバイス構成のリロードボタン(回転している矢印アイコン)を押して、設定を有効化するのを忘れずに行なってください。
設定変更後に再度測定を行うと、下図のような細かいスペクトルが表示されます。
ベクモニ09.JPG

  • 最終更新:2013-04-18 18:14:46

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード